業務改善|効率化

DXコンサル 初期検討の全容 – 後編 –

Yoshihide Saito, Tokyo

10 Feb 2021

こんな人向け:
・ 業務改善や効率化に興味がある
・ AIに関心がある
・ 通販業界にいる
・ アドバイス/コンサルに関心がある など

こんにちは。ヒデヨシです!

今回は、弊社サービスでのケーススタディ(事例)の後半部分について書きます。

通販会社様のケースで、今回はAI活用など含めた収益アップや業務効率化の検討の為にご相談いただきました。

日々の業務も忙しい為、大企業でない限りこのような取り組みに特化した部署やチームなどを作ることができず、「やりたい」「やらなければ」と思っていても実際に推進することが難しいというケースも多々あるかと思います。

一方で、このような状況が長く続いた結果、今回のコロナ禍による状況の変化などに十分に対応できなくなるといったことも起きかねません。
実際に今、感じられていたり、考えられている方も多いのではないかと思います。

この記事は、2回に分けて初期検討部分にフォーカスして書きますが、検討を進める上での参考に少しでもなれば幸いです。

初期検討プロセス

ひとまず初期検討ということで、以下のような進行で進めることにしました。

  1. ヒヤリング

  2. 理解促進

  3. 同業他社の事例共有 

  4. ディスカッション①(発散)←この記事はここから

  5. ディスカッション②(収束)

  6. 初期検討まとめ

割と鉄板ではあるかなと思いますが、僕自身いつも気をつけたいと思っていることは、手段が目的にならないようにすることです。
なので、ゴール設定がと現在地の確認がかなり重要だと考えています。

デジタル化やAI活用というのは手段であり、目的ではありません。会社の発展の為に何をどうしたいのか、これを達成するためにどのような手段を取り得るのか、その中でどの選択肢がベストなのかというのを検討していくことこそが必要な検討だと思います。

次から、プロセスについてそれぞれ内容を書いていきます。

ディスカッション①(発散)

前回までの事例紹介を含めたセッションで、”使いどころ”の理解をしたので、次に自社活用におけるアイディア出しをしていきます。

バラバラに”点”を見ていると部分最適化にしかならず、業務改善のインパクトが小さくなりがちなのでカスタマージャーニーマップを活用しお客様の動きなどから業務の大まかな流れを掴みながら線で見ていくのが常套手段かと思います。

一方でこのプロセス、「改めてこのような時間は不要だ。」と感じるクライアントさんも中にはいらっしゃると思います。

これには、以下の3つの理由の内で少なくともどれかが当てはまると思っています。

① 支援側の理解促進の為だと感じられている。
→ 心境:「お金払って長い時間これに費やしたくない。」

② 無理矢理、”型(フレームワーク)”に落とし込んで進めようとする。
→ 心境:「こんなのウチには当てはまらない。」

③ ブレストに意味がないと思われている。
→ 心境:「実効性のあるアイディアなんて出るわけない。それより日々の業務。」

これらは誰のせいということではなく、やりながらその場で軌道修正して、効果を最大化させるのがミッションになってくるかと思います。

軌道修正については、クライアントの言うことを何でも聞くのが良いということを言っているのではなく、例えばこの通りブレストが無駄と思ってるマインドセットの人がいると、その人だけでなくチームからもブレストで良いアイディアが思い浮かぶことが無いと見込まれるので、違う方法をやった方が良いという考えに基づいています。

ちなみに、色んな思考法やビジネスのフレームワークがあり企画畑では活用されることも多い一方で、絵に書いた餅感が出てしまい、中々クライアントや社内の理解を得られないケースも多くあるかと思います。

ただ、(使い方、使いどころはわきまえるにしろ)基本的にはそれら以上に最適なモデルがビジネスには存在しないので、それを使って判断材料の1つにするということだと思います。

企業のバリュエーション(価値算定)なんかもそうですが、1+1の答えが2とは現実問題限らず、100かもしれないし、-100かもしれませんよね。

その為、あくまで材料の一つとして活用し、判断に必要な材料を揃えていく一貫でフレームワークを活用していくのが良いですね。

尚、フレームワークはこちらがかなり分かりやすくオススメです↓↓↓

話が少し逸れましたが、上記のようなケースであれば、オピニオンリーダーに話してもらって顕在化している課題を挙げてもらい、あとから整理して線で繋いでいくことも考えられるかと思います。

または、ご自身で話してて自己解決し、さらなる課題が見えてきたりすることも多いかと思うので、ここはまず型に無理矢理嵌めようとせずに、聞きながら点と点を繋いで行ったり、深堀りしていくのも有効だと思います。

前置きが長くなりましたが、このディスカッションでは話しながら更に企業、業務について理解を深めるとともに、問題を明確にしていく作業をやっていきます。

そしてその問題に対する理想の姿を話しながら、実現可能性や予算みたいなところは一旦考えず、無邪気に打ち手を考えていき、発散フェーズの進行をします。

今回のケースで見えてきた問題は、LP流入からのコンバージョン率とコールセンターでの取りこぼしの2点が大きなところでした。

これらの問題の部分最適もありますが、マーケティングからコンバージョンのところまでを特に掘り下げ、一連の流れとして最適な打ち手を見出すということが一番効果が出そうというところまで見えてきました。

ディスカッション②(収束)

上記の発散フェーズで特にフォーカスしていくことが見え、収束に向かう手がかりをえられたので、このセッションでは問題・課題の解像度を更に上げ、打ち手の候補含めて収束させていく作業を行います。

LPの話とコールセンターの話なので販促とは言え繋がるところが無さそうだなというのも思いますが、ここで発想の転換や手がかりを得るために参考にさせてもらっているのが「水平思考」や「逆説」という考え方です。

というのも、「定説」については、日々のビジネスの中で既に追求されている部分も多くあるかと思うので、発想の転換をしてみるということも第三者を入れる価値なのかと思います。

こちら、様々なビジネスモデルの図解と共に「逆説」の考えについて書かれております。↓



ヘーゲルのテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼじゃないですが、前のセッションで見えてきた問題に関して、「逆説」の考え方を参考にしてみると、

定説:LPでコンバージョンさせる。
逆説:LPではコンバージョンさせない。
→ LP以外でコンバージョンさせる。

定説:コールセンターが電話でコンバージョンさせる。
逆説:電話でコンバージョンさせない。
→ 電話以外でコンバージョンさせる。

と、なりますね。もちろん実際にこれらをやめるというのは極端すぎる話になってしまいますが、こうやって定説を覆してみると、チャットでコンバージョンさせるのはどうか等、これまでと違う道・アイディアが出てきます。

抽象化できるようにややこしいこと言ってますが、ストレートに、この業界・業務にはコレっていうのがあるならそれはそれでも良いとは思います。ただ、古くなったり見落とすことも無きにしもあらず、これに限らず考え方自体はあっても良いとは思います。

今回、アイディアの一つとして、チャットについて深掘りしていきます。

もちろんですが、使われることが前提なので、お客様(利用者)のセグメントや導線などをメインにカスタマージャーニーマップなど使ってしっかりと詰めていきます

ディスカッションを進めた結果、チャットの活用余地が十分ありそうだというのが今回見えてきました。

初期検討まとめ

今回は初期検討なので、「戦い方」まで検討としてまとめていきます。

僕自身が持っているイメージとしては、実際にGOとなった時には、実行タイミングでのヒト・モノ・カネのリソース配分を考え、実行に移していきますが、その手前までやっていくというイメージです。

新たに何かするということは、ツール導入、組織体制の変更、新たな業務の発生や廃止される業務などが出てくるかと思います。

コスパやおおよそのスケジュール感はもちろん、取り組みに対して段階的な変化やプロセスが必要であればそのステップを確認し、優先順位をつけていきます。

今回のケースでは、チャットを活用したコンバージョンを行うということなので、導線、ツール候補、価格、想定効果、導入・運用時に発生しうる業務、導入スケジュールなど含めてまとめる形になります。

今回、全体像としては以下画像のような流れで集客(CV)とCS(顧客応対)を行うことで、新規顧客の獲得及び取りこぼしの削減と既存顧客のメンテナンスを行うことをご提案しました。

そして、クライアント様からの情報及び過去事例などから、以下のように想定効果(以下は、取りこぼしを削減することによる経済効果)を算出し、ご提示しました。

もちろんですが、実際にGOがかかるかどうかは、これらの改善(期待)効果の数字と導入費用や運用費用及びリソース、体制作りなどタイミングなども含め経営判断となります。

何をすべきか、どのくらいの効果があるか、それはROI(投資対効果)に見合うのかなど検討するための材料をこの初期検討で揃えます。

最後にまとめさせていただきます。
ここまで、以下のようなステップで初期検討をまとめていきました。

  1. ヒヤリング
  2. 理解促進
  3. 同業他社の事例共有
  4. ディスカッション①(発散)
  5. ディスカッション②(収束)
  6. 初期検討まとめ

クライアント様のご要望や狙いにより、変動はありますので、今回のケーススタディはあくまで一例となりますが、いかがでしたでしょうか?

「なんとなくイメージが沸いた。」であったり、「こうしたらもっと良いのでは?」という参考になっていれば幸いです。

さいごに…

読んでいただきありがとうございます。

これからもこういった机上の空論だけでなく現場の生の声やプロセスを書いて行きたいと思います。少しでも何かのお役に立てれば幸いです。

もし弊社にご興味あれば、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

それでは本日も、「やりたい、なりたい」を実現していきましょう!

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