M&A|ビジネス売買

【M&A・事業譲渡のポイント】
企業価値評価の手法について

Yoshihide Saito, Tokyo

18 Mar 2021



はじめに

こんにちは、ヒデヨシです!

記事をご覧いただき、ありがとうございます。

この記事は、M&A・事業譲渡に興味のある方やこれらを検討している人などへ、企業価値評価の手法について解説する記事になります。

必要に応じて確認し、お役立ていただければ幸いです。

企業価値評価?

M&A・事業譲渡において、いくらで売れるのか?いくらで買えるのか?というのは必ず関わってくるものとなります。

一方で、会社や事業を買う場合には、売り手と買い手の合意に基づく相対取引となり、絶対的な値段というのはありません

株価も毎日上がったり下がったりしている通り、売りたい人と買いたい人がどう見るかによりますので、1億円と言ったら1億円だし、100万円と言ったら100万円です。

とはいえ、ある程度目安になるものが無いと取引が上手く行きませんよね。

そこで、ファイナンスの理論などに基づいて、いくつかの手法が作られていますので、ケースによって適したものを活用し、参考にしていくことが重要です。

フローベース?ストックベース?

企業価値評価のアプローチは、大きく以下の2つに分類することができます。

  • ストック(資産)ベース
  • フロー(利益・キャッシュフロー)ベース

ストックベース

ストックベースは上記の通り、資産に注目したアプローチ方法です。

株主価値として、資産から負債を差し引いたものを求め、企業価値とする方法になります。

ざっくりと言えば、現時点で会社を畳んで清算した時に残る価値と捉えることができます。

その為、存続する企業の評価には向かない手法となる一方、本業赤字だが不動産などの資産を保有しており、その取得が主な目的でM&Aを行うケース等で活用される場合があります。

ストックベースの企業価値評価の手法には以下のような手法があります。

  • 簿価純資産法
  • 時価(修正)純資産法
  • 株価純資産倍率(PBR)


フローベース

フローベースは上記の通り、利益やキャッシュフローに注目したアプローチ方法です。

先のストックベースのアプローチとは異なり、「存続する企業の価値」という点ではこちらのアプローチ方法がファイナンスの考え方には合致しているものとされます。

このフローベースのアプローチには、さらに以下の2つに分類されます。

  • 企業全体の価値を求めるモデル
  • 株主価値を直接求めるモデル

企業全体の価値を求めるモデル

こちらの企業全体の価値を求めるモデルがほとんどのケースで使われますが、以下のような手法があります。

  • エンタプライズDCF法
  • 修正現在価値(APV)法
  • EBIT/EBITDA倍率

特に、スモールM&Aなどでは、扱いやすいこともあり「EBITDA倍率」が活用されるケースが多いです。

EBITDAは「イービットディーエー」「イービットダー」などと呼ばれますが、簡単に言えば「営業利益+減価償却費」です。

損益計算書上は費用として計上される「減価償却費」ですが、キャッシュフロー上はお金が出ている訳ではないので、これを足し算することによって、簡易的に「キャッシュベースの利益」を算出することができます

この倍率が同業界の水準でどうかであったり、どれくらいの期間で投資した額が回収できる見込みなのかということを考え、参考価値を導き出すという手法になります。

株主価値を直接求めるモデル

こちらの企業全体の価値を求めるモデルの活用が難しい場合などに使われるモデルですが、利子だけでなく元本の返済や新規借入なども考慮し計算するため、煩雑です。

こちらのモデルには以下のような手法があります。

  • エクイティDCF法
  • 配当割引(DDM)法
  • 株価収益率(PER)


さいごに

読んでいただき、ありがとうございました!

M&A・事業譲渡を考えた時に気になる企業価値ですが、冒頭に記載している通り、売る側、買う側がどう評価し、取引に臨むかが重要になります。

その為、ある程度の相場感は得られたとしても「この計算手法で○○円だから、○○円で売って(買って)下さい。」という交渉は難しいのが現実です。

あくまで目安として捉え、付随する理由などで自分なりの理論を作っていくことが重要です。

弊社にて、ビジネス売買のプラットフォーム「Bish」を運営している他、M&AやPMIのサポートも行っておりますので、ご興味あればお問い合わせ下さい。

それでは今日も「やりたい、なりたい」を実現していきましょう!

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