【知らずの投資はヤバい】PV(現在価値)ザックリ理解

こんな人向け

  • 投資に興味がある
  • M&Aに関心がある
  • ファイナンス関連の業界にいる
  • ファイナンスについて知りたい など

はじめに

こんにちは。ヒデヨシです!

ビジネス売買、M&Aで使う企業価値算定のことは改めて書こうと思うのですが、今回はそこに行くまでに必要な前提知識ということで、PV(現在価値)についてのファイナンス的な考え方について書いていきたいと思います。

ちなみにこちら、M&Aやビジネス売買に限らない、投資的な考え方ですので投資に興味ある方も是非見ていただき、少しでもお役に立てれば幸いです!

今日の1万円と1年後の1万円

今回ですが、記事を書くにあたり↓以下の本を参考にさせてもらいました。めちゃめちゃ丁寧に分かりやすく書いてあり、後半にはケーススタディもついているので、ちゃんと勉強したいって方はオススメです!

企業価値評価【入門編】 [ 鈴木 一功 ]

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さて、このタイトル「今日の1万円と1年後の1万円」ですがこれらの1万円は同じ価値だと思いますか?

答え:これらの1万円の価値は異なります。

こんな聞き方したら「まぁそうでしょうね。」って反応かと思いますが、次に聞きたいのは、どちらの1万円の価値が高いと思いますか?

答え:今日の1万円の方が価値が高いと言えます。

理論は知らなくてもなんとなくそう思っていた方、鋭いです。次からこれがなぜか見ていきましょう。

PV(PRESENT VALUE=現在価値)について

なぜ今日の1万円の方が価値が高いかと言うのは、PV(Present Value=現在価値)という考え方に基づいています。

要は、今日1万円あったら1年後には1万円以上にできるはずなので1年後の価値(キャッシュフロー)は、1万円以上でなくてはイコールにならないということです。

「え?増えるかどうかなんか分からないじゃん !」って思った方、それはそれで正しいです。是非、次回予定のリスクのお話も読んでみてください!

ここでは簡単に、銀行さんに預けておけば年率1%の金利がつくと仮定します。
そして、今日の1万円を(今の日本では考えられない超優良な)銀行さんに預けます。

1年後はいくらになりますか?
10,100円になりますよね。

なので、今日の10,000円=1年後の10,100円となるんです。

なんとなくイメージ沸きましたか?

もちろんこれには公式がありまして、以下のようになります。

\(PV=\frac{{CF_{n}}}{(1+r)^{n}}\)

ちなみに2年後、3年後ってなっていったら、

\(PV=\frac{{CF_{1}}}{(1+r)^2}+\frac{{CF_{2}}}{(1+r)^2}+…\)

って感じで計算していきます。

今回の例でいうと、PV:1万円は、n年後:1年後に発生するキャッシュフロー:10,100円を(1+割引率:今回は金利の1%)のn乗で割ったもので表すことができます。

この計算式で同じ仮定を利用すると、1年後の1万円(CFn)は今日の価値では約9,901円(PV)になります。

ここで、「ん??割引率??」となった方、次に割引率について説明します。

割引率

次に割引率について書いていきます。上記の例では、金利=1%でこれを割引率のところに当てはめました。

割引率は、ファイナンス界隈でいろんな呼び方があり、「資本コスト」とか「期待収益率」なんか色々な呼び方もあり、ややこしいです。

なので、概念的に捉えた方がきちんと使うタイミングで使えたりして良いと思っています。

上記でオススメさせてもらった、以下の本にすごーく分かりやすい解説が書いてありました。
企業価値評価【入門編】 [ 鈴木 一功 ]
企業価値評価【入門編】【電子書籍】[ 鈴木一功 ]

割引率=資本の機会費用である。
機会費用とは、いくつかの選択肢から1つを選ぶ場合において、選んだことで選択できなくなる、それ以外の選択肢(失われる機会)から得られるはずであった、もっとも良い結果と定義される。

具体例としては、新型スマホを手に入れる為に仕事を1週間休んで店の前に並んだ時、時給換算で時給1,000円*8時間*5日間=40,000円の機会費用となるという具合です。

ここでは機会費用のイメージもそうですが、機会費用が、仮定に過ぎないということと人によって違うということもなんとなくお分かりになるかと思います。

事業売買に絡めてザックリとした例をあげると、1年後に価値が1億円となることが見込まれる事業について、期待収益率が5%程と見るのであれば現在の価値でいうと9524万円弱になります。

要は、事業で5%の期待収益率のように固定されているわけがないので同程度のリスク等におけるもっともらしい割引率(機会費用)を当て込むということですね。

次回はリスクについて

読んでいただきありがとうございます。

これでPV(現在価値)については、完璧なのではないでしょうか。

企業価値算定の方法でDCF(Discount Cash Flow)法という方法がありますが、その計算を行う上でPVの理解は欠かせません。というか、ほぼこれです。

次回は、リスクの考え方について書きますので、是非見ていただいて何かお役に立てれば幸いです。

もし弊社にご興味あれば、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

それでは本日も、「やりたい、なりたい」を実現していきましょう!

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